the Prisoner: Introduction

『the Prisoner』あらすじ

　この不思議な物語は、一人の男が上司の机に辞表を叩き付けるところから始まる。仕事を辞め、自分の家に帰った男は、南の島にでも出かけようとしていたのか旅支度を始める。だが、何者かによって部屋に睡眠ガスを注入され意識を失ってしまう。
　それからどれだけ時間が経ったのだろう、朦朧としながらも男は目を覚ます。そこはいつも見慣れた自分の部屋だった。しかし、窓の外を見て男は驚愕する。窓の外は見たこともない場所だったのだ。
　そこは「村」と呼ばれており、一見平和でのどかな保養地のようだが、村の責任者「No.2」を筆頭に、住人たちは名前の替わりに番号で呼ばれ、厳重な管理のもとに暮らしているのだった。そして男に与えられた番号は「６」。この村では「No.6（ナンバーシックス）」と呼ばれることになる。
　村の住人たちは、国家機密レベルの特別な情報を知っている者がほとんどであり、村はそれらの重要な情報を収集、あるいは外部に漏洩することを防ぐために設けられた監獄なのである。
　No.2はNo.6の辞職の理由を執拗なまでに知りたがる。だが、No.6は答えることを頑に拒否する。個人の権利と自由を奪おうとする村とNo.2に対して、No.6は孤独な戦いを挑むのであった・・・・

Text by Ryoto Arden Suzuki